Art

>> Art : Home

  • Posted on
    2011.02.06
  • posted by kenshin.

「JR」~ 正体不明のストリートアーティスト





















TED(Technology Entertainment Design)が設立したTED賞「TED Prize 2011」今年の受賞者が

発表された。その受賞者は『JR』という名のストリートアーティストであった。 TEDは世界の思想家や手腕かが集うカンファレンスなどを主催する、ビジネス界では名だたる組織で,同アワードではカンファレンスで最も権威のある賞で知られている。過去にU2のボノやビル・クリントン、シェフのジェイミーオリバーなどが受賞してきただけに、今回のストリートアーティストのJRが受賞したのは異例なことだと言われている。
TED賞の責任者エイミー・ノボグラッツは「見る人を圧倒するJRの作品は、予期しなかった場所に芸術作品を持ち込むという新体験をもたらした」と述べています。

通称『JR』と言われるアーティストはフランスの27歳の男性写真家という事以外、実名も含めその素性がほとんど明らかにされていない謎が多いアーティストなのです。彼の作品、というよりもプロジェクトという方が正しいかもしれませんが、彼が、これ迄に手がけてきた作品は世界中を旅しながら、経済的、社会的もしくは政治的な困難に直面している人々の顔を撮影し、その写真を印刷した大型ポスターを街のあちこちに貼って、これらの課題を広く世の中に啓発し、人間同士の尊厳を訴える活動を展開しています。2007年からスタートしたもので、アフリカやアジア、中東などを舞台にしている。リベリアの小さな村から始まり、ブラジルのスラム街・ファベーラではいまにも壊れそうな壁に、カンボジアでは立て壊しされる家に、パリのスラム街の人々を写した「Portrait of Generation」、パレスチナとイスラエルでそれぞれ生活する人々の顔写真を両国を隔てるヨルダン川西岸の壁に展示した「Face to Face」、シエラレオネ・ケニア・リベリアといったアフリカ諸国で差別や犯罪に苦しむ女性をテーマとする「Women are Heroes」これらの作品は街を丸ごと使ったような大規模なアートプロジェクトなのです。


彼は作品についての詳しい説明はしない、それは、作品の解釈を見る人々、一人一人に委ねているそうです。

貧困、弾圧、差別、暴力、戦争あらゆる困難のなかに生きる人々の生きるという力、人生を彼は壮大なスケールで表現し社会にとてつもないメッセージをなげかける。


2010年 『Women are Heroes』で力を注いできた女性たちの勇気を捉えた写真からなっているショートフィルムがカンヌ映画祭で公開され、上映後、会場はスタンディングオベーションがなりやまないほど多くの感動を与えた。




text by GM

top