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  • Posted on
    2010.01.02
  • posted by kenshin.

Christophe Szpajdel






ネクストファッション・シーンで今最も注目されているのが、ハーネスや拘束具をモチーフとしたSMチックなものや、スタッズやスパイクなどで装飾を施したアイテムを取り入れたファッションが存在する。

ハイブランド~ストリートブランドまで様々なブランド達がこぞって、それを用いたアイテムを発表しており、感度の早いファッションピープル達を唸らせている。

そう言ったファッションを連想させるのが「メタル・ファッション」と言い、中でも北欧のブラック/デスメタルバンド達が衣装で用いたりしています。
彼らは一般的な「メタル」と言うイメージとは相反して以外にも、衣装やメイクなど身なりを役者ばりに整える美意識をも兼ね備えていまる。
そんな彼らが一番のこだわりを魅せるのが、バンドの看板的存在のバンド・ロゴ。

その立役者として注目されているアーテイストがいます。

何とも繊細でありながら強烈なインパクトで,ダークなロゴを描く人物は、ベルギー出身の弱冠37歳、christophe szpajdel。

イギリスのデボン州にあるエクセターに在住し、過去20年間のあいだに Emperor や Moonspell 、Nachtmystium 、あるいは Enthroned といった "ブラック/デスメタル" のバンド・ロゴを7,000コ以上描いてきた。彼を皆ブラックメタルのロゴマスターと称するほど、この世界では右に出る物はいないほど孤高なアーテイストとして君臨する。

作品には、随所にアールデコやアールヌーボー、それからウィーン分離派のアーティストの影響があり,なによりも制作に重要なのは、オリジナルで考案して立ち上げた "装飾文字の流派" 。アールデコ調や陰鬱なダーク・アンビエント、更には今実際に直面している経済不況なんかをモロモロ混ぜ合わせた事もインスパイアーされ、彼はそれを "ディプレッシブ・モダン" と呼んでる。















只、この作風を想像すると、christopheがかなりダークな人物像かと連想しがちだが、その裏腹。 ロゴデザインの仕事の他、森林管理士、いわゆる地球環境保護の仕事もこなす。

勿論、好きなロゴデザインの仕事をする為の、サイドビジネスではあるものの、 大量の爆音と、過激な歌詞等、アンチイズムの思考も数あるメタルバンドのロゴを描く事と、 環境保護とはどう考えても結びつかないほど、どうしても矛盾がある様に思えるが、 デザインをする上で、彼にすると、重要な意味を持つらしい。

それは、"陰と陽" みたいなもので。たとえ音は過激だとしても、歌詞では純粋に自然の事を歌ってるバンドも少なくない。
例えば "山みたいな自然" と "メタル" の両方に対する強い関心を完璧に融合できてる。 もちろんその他大勢のメタルバンドは "人類滅亡" をテーマに歌ってるがそういうのも、ある意味必要であり完璧な滅亡までは行かなくても、徹底的な間引きをする事が、今の混沌とした社会には重要な要素だと、彼は言う。


かなりマニアック世界感ではあるが、それ以上にアーテイストとしてのフィロソフィーがなければ、これほど迄の作品も生み出さないだろう。また思想と現実の狭間で、一見全く結びつかない様で、実はかなり密接な繋がりがある事を、感じさせられる。

やはり、ふり幅の効く姿勢と思考を上手く融合して行かなければ、この21世紀は乗り切れないだろうと。。


text by hm


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