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  • Posted on
    2009.11.22
  • posted by kenshin.

Daniel Gordon






一枚の写真に恐怖すら感じる圧倒的な存在感。
時を超え時空を超えた別々の写真が一人の若い芸術家によってまったく新しい存在に生まれ変わる。
それは人類におけるタブーともいえるの命の操作を時を超え新しい存在を創る。





『怖い物見たさ』という言葉があるように恐怖とは人を引きつける物がある。
初めて見るもの、初めて経験するものに人は少なからず恐怖や期待を抱く。
対処、対応の仕方がわからない、だから素直に感情に入ってきて、そこで感動が生まれたりするのだと思う。日々生活していて些細なことからも私はそう感じる。
彼の作品を見て私は率直に恐怖を感じる。人体の移植手術を連想させられる。 グロテスクと言えば一言で終わるのだが、人間(個人)誰もが持つ何らかのコンプレックスを表現したような目をつぶりたくなるような、身近な、自分にしかわからない恐怖。

彼はインターネットからいろんな絵を印刷してそれらをはさみで切り取る。そのインターネットから切り取ったイメージを、まるで移植への素材を手術するかのように三次元のコラージュ作品を創造していく。そしてそれらのコラージュ作品をカメラで撮影する。存在しなかった何かを創るために写真によってスペース、光と時間を変える事で彼の作品は完成する。それはあたかも魔法のように普通の瞬間を驚異的なものに変え、さらには出来事を変えてしまう。

彼は作品を創る上でもっとも大切にしているのが(Imagination)想像よりも(Intuition)直感だという。
計画して実行するよりも自分の直感を頼りに手探りで進んでいく。
その直感の断片が幾重にも重なり、一つの新たなる存在を創りだす。




Daniel Gordon

1980年に生まれる。
現在、ニューヨークに在住。
ニューヨークタイムズ紙などあらゆるメディアに取り上げられているフォトグラファー。



text by G.M

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