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  • Posted on
    2009.01.18
  • posted by kenshin.

RICHARD LINDNER

ウォーホールやPOP ARTのアーティスト等に多大な影響を与え、極彩色の鎧のようなシェープの洋服に身を包み、ハードなイメージで攻撃的、締め付けられたレザーの洋服やブーツの下に覗かせる豊満なボディー、鍛え抜かれた男の体にはエッジの効いたカットの洋服などあしらわれる等かなり未来的でいてアバンギャルド、そしてファッションコンシャスで都会的、リンドナーの描く人物像はコマーシャリズムな性表現を象徴的に生かし描かれており、1960年代にPOP ARTが出現して始めて広く賞賛される様になります。

リチャード リンドナーは1901年 ドイツのハンブルグで生まれニュルンベルクで育ち、1925年にミュンヘンの美術アカデミーで絵を学びます。
その後ベルリンへ移動し出版社でアートダイレクターを勤めるも当時ナチス協賛出版社であったため、1933年にパリへ亡命。
パリではコマーシャルアーティストとして職に就くが、1939年に第二次世界大戦の勃発と同時にパリで抑留され、フランス、イギリス軍隊に服務。
その後、アメリカに渡米しイラストレーターとして『ヴォーグ』『ハーパース•バザー』で活躍し名声を得ますが、1952年に自分の絵に専念する為イラストの仕事を引退し、作家活動に没頭します。
1954年に53歳にして初めて個展を開くかたわらブルックリンのプラット大学やエール大学で教鞭をとりハンブルグの絵画芸術アカデミーの客員教授も務め1978年NYで亡くなります。

彼は常にNYのアップタウンの派手やかな暮らしを謳歌する女性やアップタウンの老女の行き過ぎたのメイキャップやヘアスタイル、ファッション等にインスパイアーされたと言います。攻撃的で抑圧された欲望を覗かせる女性像を描き、POP ARTとして賞賛を得ますが、彼自体は全くPOP ARTを意識しておらず、自分の描きたい女性像、男性像を描いていただけと述べています。しかしながらPOP ARTに多大な影響を与えたのは事実であり、彼の作品は未来的であり、グラフィック、ヴォーグ誌等でも活躍していたイラストレータだけありファッションコンサスで当時、かなり衝撃的な作品であったのは言うまでもありません。
21世紀の今日でもリンドナーの描く人物像は未だ色あせる事の無いファッションコンサスな衝撃を与えてくれる作品であり、今のファッションを席巻するファッション誌『NUMERO』等でも彼のオマージュ的なファッションストーリーが作られる等、時間軸、絵画のカテゴリー等を飛び越えた力強い作風なのではないでしょうか。

TEXT BY KESO


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