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  • Posted on
    2010.04.18
  • posted by kenshin.

奢灞都館









外国文学・近代日本文学・美術書専門の出版社である「奢灞都館」は1994年に他界した 京都大学名誉教授 でありフランス文学者である、生田耕作がフランス異端文学の紹介に努め、自らの著作を出版するプライベートプレスである

それは「低俗と量産の時代に、敢て問う誇り高き少数者の声。瓦礫文化の底から、埋れた結晶群の美を探る〈反時代的〉コレクション。細心の編集と瀟洒な造本で贈る」を銘打っている


その「奢灞都館」の創始者、生田耕作は昭和の文芸界の中において、たいそう粋で確固たるフィロソフィーのある人物であり、様々な活動やまっすぐな生き方はエレガントと表するに値する。

ジャーナリズムに迎合する文芸界に愛想を尽かし、渋沢龍彦、土方巽ほか多くの盟友と袂を分かち、東京ジャーナリズムと距離を置き、関西を拠点に独自の活動を始め、1980年代に奢灞都館から出版されたバイロス画集が猥褻図画容疑で横浜地検に摘発されたが、多くの著名人を巻き込んで大論争となり「ワイセツではなく芸術...芸術なぜ悪い」と訴え続け勝訴。
 しかし、この事件で京都大学と意見が対立、自ら大学教授の職を辞したが、その生涯孤高の姿勢な生き方はオリジナリティーや個性という言葉では決して囲いきれない、志が違うのである。
そのダンディズムあふれクオリティーにこだわる姿勢や生き方、その化身ともいえる「奢灞都館」は生田氏の没後十数年経った現在も、心ある愛書家の方々から求められ続けている。
その存在そのものは現在の情報瓦礫化した社会に警笛を鳴らすかのように、、、。
紙媒体を主とする出版不況の中でこのようなエレガントなプライベートプレスの存在は夢や志を抱くものに勇気を与え続ける。







reference

奢灞都館 ホームページ
wikipedia







text by keso


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