Fashion&Beauty

>> Fashion&Beauty : Home

  • Posted on
    2011.01.06
  • posted by kenshin.

Fashion Film Festival








2年に1度のFashion Film Festival(以下FFF)は、2006年5月、ロンドンでは初となる上映会を皮切りに 、ニューヨークの映像博物館、プラハのkino svetozor、およびArnhem mode binnaleの公開ツアーなど、定期的に開催されてきました。それは文字通りファッションを映像、映画を通して考える、というとても実験的な活動であり、芸術家、デザイナーをはじめ、現代写真家、映画製作者、パフォーマー、及びミュージシャンなどの協力のもと、マルケタとクリステルという2人のキュレーターによって運営されてきました。

また、FFFは多くの主要な文化団体によって、国際的に支持されています。例えばそれは、Arts Arts Council LONDONやその他の多くの大学を含み、更にArts&Business、Film London Institut、テート・モダン、BFI South bank、SHOW studio、ニューヨークの映像博物館、更には2年に1度ツアーしているフェスティバルに加えて、現在は映画館やミュージアムの館長主催の特別上映、小規模の会議、および展示会を含む、より小さいプロジェクトなども盛んに行われています。

このFFFという企画は、ファッションと映像、アートを融合する、という新境地を試みた映画祭であり、今までこのようなファッションを大々的にフューチャーした映画祭は存在していませんでした。 2009年には、デザイナーのHussein Chalayan、Viktor&Rolf、ジュエリーデザイナーのNaomi Filmer、アーティストであるAnna-Nicole Ziescheらが集結し、Museum Boijmans Van Beuningenにて、20世紀の映画製作者とアーティストらが、映画から生まれたファッションとアートの関係性を議論しました。

内容としては、ファッションデザイナー、トレンドプロジェクトリーダー、ジャーナリスト、スタイリスト、ファッション評論家、エディターたちにより、昔からある手法や、ファッションなどを新しい思考と創作で構築していくという議論で、世界中から約80組のメゾンが集結し『shape』というテーマのもと、共に協力しながらファッション・フィルム『shape』が制作されました。

また、Martin Margiela、Raf Simons、Balenciagaなど...、また日本からはComme des Garcons、CosmicWonder lite sourceが選ばれており、それらの展示方法は、それぞれのレーベルにロッジ風の展示スペースをもうけ、その中を自由にデザインし展示していくという方法だったそうです。


そして2010年のテーマは「Birds of Paradise」

これは、ヨーロッパやアメリカ映画によくあった手法で、劇画的な形式を使い「楽園」を演出し、より多くの人々を魅了するような極めて前衛的なコスチュームを表現するという試み。

例えば1940年代から1970年代にかけて、アングラ映画というとてもシュールな映像が有り、そこに登場するコスチュームは、動き、変化を得れるコスチュームであったり光と色のフィルムのような媒体として重要であったり、そういったきらびやかなコスチュームを纏い、華やかな情景と踊りを表すことは、当時とても重宝されていました。そんな実験映画を撮り続けたケネアス・アンガーやジャック・スミスは、アンダーグラウンド映画の神話そのものとして、今でも語られています。そういった当時の先鋭的な映画を、現代的ファッションの視点で再評価することは、ファッションだけではなく芸術全般にも通じる有意義な上映会になるのではないか?とキュレーター達は考えています。


ファッションには、それぞれの時代感があり、その時代時代を思い起こさせるような作用もあり、それらの価値観を、フィルム・映像で残すということは、実に素晴らしいことで、単に情報というだけでは無く、ライブラリーとしても重要な意味を持っています。


映像によってファッションを取り扱うことで、将来、人が「ある時代のファッション」に触れ、このFFFの様な形で鑑賞できる機会を設けていくということは、非常に価値のあることではないか?と、私は思うのです。


reference  Fashion Film Festival





text by  noku

top