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  • Posted on
    2010.10.22
  • posted by kenshin.

WE LOVE NY






最近の流通はオーガニックメインのなか、まさにオーガニックという称号を与えるべくして作られた、香水が現在注目されている。
そもそも、香水というものは、合成香料を使用しなければ、香水をふってみても香りが残りにくい以前に、まったくといっていいほど香りが残らないというのが実際問題でしょう。これまでも、完全オーガニックの香水というものは創られておらず、合成香料あっての香りであり、香水なのだと方向付けていましたが、あっさりとその概念をぶち破ってくれた「オリビア・ジャコベッティ」という、女性調香師が、沢山のメゾンの香水の香りを作り、挑戦を繰り返してきた。
こういった挑戦も、新しく貫き通された彼女は、本当に素晴らしいの一言である。
そうして出来上がった香水は、「パルファン・オノレ・デ・プレ」で今作で2番目となるライン、ニューヨークコレクション"WE LOVE NY"をこのたび発表するに至る。フランスのコレットでは早くに発表されており一躍話題沸騰中であった。





ニューヨークで得たインスピレーションを、キャロット、ココナッツ、そして「どこにもない、誰も嗅いだことの無い花」という3つのフレッシュかつユニークな香りへと誕生しました。天然成分なので、素肌全体にスプレーをすると、野菜や果物、花の本来の香りが、肌と一体化するような感覚におちいる。

そして、ボトルはニューヨーカー御用達のコーヒーショップのペーパーカップに入れ、ロゴのデザインも3種類とも香りの特性を反映させたように、どれも今という感覚にも感じる。
「eco cert」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか。1991年に農学者の団体によってフランスで設立されたオーガニック製品の認証団体であり、検査員は農業、食品科学分野のエキスパートで構成されているそうで、審査にあたっては100%植物原料であること、主原料であること、などが義務化され、認定を断続するためには、一年に一度の審査を受ける必要があるなど、と厳しいチェックを受けながら完成した代物である。
ここまで研究をかさねて、これだけ自然素材にこだわる貪欲さや、自然に対する考え方、そしてこの香水をつくった切っ掛けということは、もちろん今だからというのも有るのでしょうが、キャッチーでも あり、これからの事を深く深く考えていかなければならないのでは?とも感じ取れました。 こういった出来ない事が出来てくる分、さらに限りない可能性を秘めている物がこれからも沢山出てくるのでしょう。
そして、自然と連動するのが、その人の作った気持ちやぬくもり、情熱などを肌で感じれる贅沢さが究極の品ではないでしょうか。
彼女は、さまざまな苦難をのりこえ、オーガニックを追求するという気持ちが、花や果物、野菜本来の香りを際立たせ、その人自身のオリジナルになるのでしょう。そして、香り自身、自己主張せず、日本列島は匂いにはかなり敏感であり、いろんな匂いのする種類の消臭剤が出まわるくらい、嗅覚を刺激することは特に敏感であるような気がする。例えば、レストランなど食事を楽しむところに、濃い香水をふり人々の嗅覚を狂わせてしまったりと、とてもマイナスイメージである。 しかし、天然素材の香りというものは、持続性が弱く、香りも主張はしない、協調性のある香りというものは、とても心地よく、今の時代にもフィットするのではないか?とも受け取れる。主張する香りはもう世界中どこにでも存在し、誰もがそれらの主張するお気に入りの香水をつけて、香りを漂わせながら存在する。
オーガニック香水という自然体に生きたいと願う人々、自分自身のアイデンティティーを持つ人、その微々たるこだわりは、とても格好いいし、人との距離感や、自然との距離感、違和感なく存在できる位置にこの香水はあるのではないかと思う。 彼女の作る香水はとても人にやさしく、彼女自身の心模様や、好奇心など感じ、そしてどこにいても、誰がいても、自然体に馴染む香水であり、これからも無くてはならない香水になるではなかろうかと思う。
今後の彼女の活動も注目していきたい、、、。


調香師「オリヴィア・ジャコベッティ」

南仏グラースで調香の訓練を積んだ後、香料メーカーにすることなく、単独でフレグランスの創作活動をスタートした。以後、フレデリック・マル、ラルチザン、アニエス・ベー、エルメスなど、そうそうたるメゾンの香りを作った実績をもつ。


reference
WWD BEAUTY




TEXT BY  NOKU

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