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  • Posted on
    2009.02.14
  • posted by kenshin.

CEEF ~生き残りをかけた人類の試み~

将来、我々の住む地球の環境悪化、エネルギー資源の枯渇、人口の爆発による食糧難等様々な理由で地球という星に住めなくなった人々が暮らしていく為に宇宙、他惑星への居住、例えば機動戦士ガンダムの第1話でスペースコロニーで人々が暮らすシーンの様な選択肢を選ばなければならないとしたら、、、
そんなSFのようなお話が現実に起こるかもしれない、来るべき時代への準備としての実験が今まさに行われています。
青森の六ヶ所村に 「CEEF」  '"CLOSED ECOLOGY EXPERIMENT FACILITIES" 通称「ミニ地球」と呼ばれる生態系を人工的に再現する事を目指す閉鎖空間環境実験研究施設があります。
この施設の存在を知ったのはTHE MAGAZINE 'CULTURE' で2009年1月16日に報告したARCOSANTI  ~ARCOROGY  今、必要とされる都市の形 リポート~の取材をアメリカ、アリゾナ州の砂漠で行っていたときに偶然、知り合いになった、このCEEFの内部写真を撮られていたフォトグラファーの方から教わったのがきっかけでした。

そのミニ地球と呼ばれる施設ではきわめてユニークな施設であり、ここで行われる実験はかなり特殊です。2人の人間、2頭のヤギが50平米の完全に外部から閉鎖された空間に植物とともに入りこの施設の内部だけで完全に生態系を循環させ生きながらえる為の実験をおこなっています。
それは来るべき時代に備えた生き残りをかけたプロジェクトなのではないでしょうか?
その実験施設の中ではコントロールされた空気中の二酸化炭素は植物に吸収されて光合成により酸素と有機物に変わり人間とヤギは酸素を吸い込み二酸化炭素を排出する。人間はこの中で自分の生命維持の為に必要な食物を植物から得る為に種を植えて育て。収穫し、料理し、それを食べるという行為を行い、その際に出た生活排水や排泄物は機械装置によって植物の養分と変わる様に排泄物処理や浄化処理等を行い全てが再利用されていきます。そこの中では人間は消費者となり生産者の植物を農夫として育て消費していきながらこの環境の中の循環系の1パーツとしての役割を担う実験者としての役割を担いながらも全体の構造、起こる事柄を観察する観測者として存在します。
植物と動物と機械が一体となり生態系循環を実験しています。この「ミニ地球」ではより複雑な地球の生態系システムを解き明かすヒントをつかむ事を目的とした、生態系を人為的にコントロールしていく為の実験目的、エネルギーの循環実験、植物栽培実験(実際に他重力を想定した植物培養環境実験等も行われています)、人工大気の実験やまた宇宙での暮らしを想定した宇宙放射線を想定した実験、閉所空間での人間の精神的影響など様々なデーターの回収と発見等を行い非常にサイエンティフィックな研究とエンジニアリングとしてすぐに使えることのできる実用目的としての実験が行われています。 自然と一緒に楽しく暮らすコンセプトとして「桃源郷」というキーワードを掲げて実験、開発を行っています。
この施設では人類の大きな課題を乗り越えるべく大胆な発想と最新のテクノロジーいわば人類の知の結晶を集め生物として生き残りをかけた壮大で大胆なチャレンジを行っています。
我々が来るべき時代に備え試みを行い、この新しいシュミレーションの世界の中、人類が行ってきた行為や生命の息づかいと今まで見た事の無い風景が混ざり合い交差し、新しい未知の世界が産まれています。21世紀の我々はどこに歩いていこうとしてるのであろうかと考えさせられます。

TEXT BY KESO

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