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  • Posted on
    2009.04.20
  • posted by kenshin.

苗族(ミャオゾク)の伝統








手と手の「手作り」は最高級だと私は感じます。 日本でも現在オーガニックや手作りの物などが充満しているこのご時世、最後にいきのこるのはアナログだと私は信じたい。
結局気持ちのこもった物やいろいろな作品達を手に取った人はまた欲しくなり、また見てみたいとリピートします。
機械的に働いて、感じる事も少なくなってきているこの世の中、信じ続けて貫いてる人には、きっと同じような感覚を持っている人たちが集まり、人間的空気で包まれていくとおもいます。
そんな苗族の刺繍達は、繊細な糸の目と目が重なり合い、絶妙な質感と色彩を醸し出している、なぜそのような色を表現できるのか...
彼らが「祖先」と信じている蝶、草花、虫、鳥、かえるなどの姿が、生糸の織りなす精緻な模様の中に縫い込まれています。
手に取ると一つ一つ違うディテール、一つ一つ手作りで、一つ一つに滲みだす願いと思いが溢れ出しているのかな、と思えてきます。
そんな彼女達の刺繍も、社会状況の悪化によって、母親から学ぶことが難しくなってきたのです。
そんななか、伝統の刺繍を守ろうと、日本人の会社員夫妻が私財を投じて支援に立ち上がりました。
中国南部に位置する中国貴州省台江県に6年以上も前に設立されているこの学校は、貧しい子供達に住居や食事を提供しながら刺繍を学んでもらうため、夫妻によって作られました。
優先して男の子を学校に通わせなければならないため、父親の稼ぎに加え、母親も出稼ぎにでなければなりません。なので、女の子は母親から伝統の刺繍が習えなくなってしまい、途方に暮れる毎日を過ごしていたからです。
どこの国にも伝統というものがあるのかというと、きっと伝統のない国もあるだろうし、こんな根気のいる作業は、誰にでもはできないでしょう、、、それだけ価値のある苗族の刺繍。
価値のあるものはずっと残しておきたいと願うでしょう。
ひとつの希望のもと、団結し協力すれば、伝統の存続も夢ではありません。「協調しあえる空間と人間」刺繍学校ができてから、生きる力、自力で生きていくという凛とした姿勢、学ぼうという思いが、子供達に芽生えはじめました。
今はまだ小さな苗を意味する『禾苗[フウミャオ]刺繍学校』ですが、ちゃくちゃくと種から苗に、苗が育ち花が咲く様に、希望が咲きほこる空間になっていこうとしています。しかし現実には、今でも里親制度等の資金調達に頼らざるを得ません。が、近い将来必ず「伝統の刺繍」と学校を、自分たちの力だけで守っていきたい。子供たちの目からは、そんな力強い光がみなぎっていました。
里親達は、手作りの刺繍と近況が綴られた手紙を、毎年心待ちにしているそうです。
向上心の塊でもある彼女達のなかから、将来はデザイナーや画家になりたいというクリエイター志望の頼もしい子供達も現れました。
ちなみに、苗族の女性は刺繍が上手な人程、良い結婚に恵まれるのだとか...。







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