THE SALON STYLE JOURNAL

ART

1967年のDAVID HOCKNEY

言わずと知れたイギリスが産んだ画壇の重鎮 DAVID HOCKENY

最近では英国現代アートの重鎮 ダミアン•ハーストを「多くのアシスタントの手を借りて多数の作品を制作している」と痛烈に批判したり、Royal Academy of Artsでの彼の個展では「展示されるすべての作品は、画家本人がたった1人で制作したものです」と一文が書き記されたり、公の場での発言では「美術学校でこう言い続けてきた 技術は教えられるが、詩的表現は教えられないと だが彼らときたら、技術は教えず、詩的表現だけを教えようとしている」

たった25歳の学生だった時に、国際的名声を得て、イギリス画壇の鬼才と言われポップアートのレッテルを嫌い、様々な表現方法を今なお追求し続け、ある時期具象絵画を徹底的に追及し、魂と時間を費やした彼ならでは重みのある言葉ではないか?


1980年代以降、アートは金融商品の替わりとして作品の評価より金銭的価値を重んじるようになり、作品の善し悪しが評価される前に、金融的価値が付けられるようになった昨今、そのアート界を取り巻く環境が移り変わる以前のDAVID HOCKENYのL.Aに移ってからのアメリカ西海岸の明るい陽光を感じさせる華やかな色調で、室内風景、プールのある邸宅を頻繁に描くことになった1967年の代表作を紹介したい 
当時まだメジャーでなかったアクリル塗料で仕上げたこの2点の作品はただ単にPOPアートという領域では処理できない感情がたっぷりと入った彼のターニングポイントとなった素晴らしい絵画だと感じます





DAVID HOCKENY 「 THE BIG SPRUSH 」 1967







David Hockney 「 A Lawn Being Sprinkled 」 1967

  • 2012.11.03