THE SALON STYLE JOURNAL

INFLUENCE

デザインやアイデアは誰のものなのか?

デザインやアイデアは誰のものなのか?ふと考えたくなる時がある
我々THE SALONを立ち上げる際に意識した事があったのだ
それは美容業界においてのイノベイティブな革新的アイデアとそれをデザインアウトラインとして形にする事
時は立ち上げ構想がまとまった際の6年前いや構想自体は7年前からのアイデアがあり現実的にアウトプットな形にできたのは、実質のサロンができる前の1年前、すでにTHE SALON WEBとして情報やfeeling、空気感や伝えたい事はwebによってサロンよりも先にバーチャル上において常に発信してきた。その情報はTHE MAGAZINEという世界で初めてweb上で編集されたコンテンツを美容とつなげ現代社会や世界中で行われている事、我々の注目している事の「今」を切り取り、発信するというやり方であった
それはただのブログとは相異なり読むものを始め、目に訴えかけるもの全てをアウトプットデザインとして気を使いながら丁寧に試行錯誤して行ってきた。
現在はTHE SALON STYLE JOURNALとしてそれは引き継いで「Less, but better = より少なく、しかしより良く」という考え方で引き続き行われていてそのアクセス数もかなりの信じられない数に及んできた。
具体的にはART, THINGS, PHOTO DIARY,INFLUENCE ,OPINION ,MUSICというカテゴリーに分けて私たちが、世界で起こっている事や常に新しい情報を不特定の顧客に流している無料情報のサービスである。無料である目的はもちろん皆に情報を楽しんでいただきたいというのもあるが、私たちがどういう考えやフィロソフィーで美容サービスを行っていくかという表明でもあるというのも一つである。
確かにやっている事は時代の流れからだと少し先をいっていたのかもしれないし、実際にweb上だけで私たちが伝えたい事を完結しようなどとはさらさら思ってもいなく、無毛で苦しんでいる子供達のためにNPOの立ち上げなどを含め、様々な考えを形にして行こうというものの中の一環であった。当初はなぜ美容室が?という感覚でコンシュマークライアントからは理解されずらかったのだが、敏感なクライアントやWEB のファンからは絶大な支持を得て徐々に浸透し、雑誌などのインタビュー掲載なども手伝ってこういうアイデアが一般の方にも認知される事となった
しかしこのアイデアを形だけ模倣するフォロワー達が増え始め、フィロソフィーそっちのけで何となくかっこ良く見えるみたいな感覚でコンテンツの内容までコピーされ始めている。

その現状を見た時にふっとドイツの電機メーカーのBraunから名作を世に送り出したのは、インダストリアルデザイナーのディーター・ラムスの事を思い出した
皆さんが今、手にしている今は現代人には無くてはならない3種の神器の域になりつつあるAPPLE社の商品 I PHONEやI MAC。
機能美はもちろんの事デザインは革新的だ!と唄われたりしてきましたが、元はアップル社がBRAUN社の製品をインスピレーションを通り越したデザイン作りをおこなっているものだといわれていて、その製品はシェープやアイデアなどちょっと首をひねりたくなる様なそっくり具合。
そのブラウン社のデザインの生みの親はインダストリアルデザイナーのディーター・ラムス
彼の製品はまさにデザイン界では革新的で慎み深い奥の深い計算され尽くしたものであった。
それらを生み出す行程は並々ならぬ時間とアイデアや努力があったに違いない。
まさかアップル社がブラウン社の製品からインスピレーションの域を超えていった製品だとはコンシュマー達は思ってもみないだろう
ディーター・ラムスはこう語る。「アップル社のデザインは私のデザインのコピーなどではなく、私の過去の仕事に敬意を表してくれていると思っている。」というかなり達観した大人な発言をしておられ、この言葉によってアップル社のインダストリアルデザイングループ担当上級副社長のジョナサン・アイブも救われたであろう。
やはり良いデザインは慎み深く革新的であるという言葉を残したデザイン界の巨人の懐はかなり大きいのである

我々もディーター・ラムスの言葉に免じる事にしよう。



  • 2017.4.04